工事完了

R6.3.2(土)[晴れ]

昨日、栃木市伝建地区の現場にて、
sign工事の立会いをして参りました。

栃木市屈指の旧家の家紋は、
当然由緒ある家紋。
事の始まりは後醍醐天皇…

長い歴史のある家紋を
通りから薬医門越しに屋敷内を望んだ時、
土蔵の奥から家紋を映し見せたい…
そんな思いより内部空間を提案させていただきました。

sign工事のI氏のお力で、
構想通り良い感じに仕上げていただきました。
遅い時間までありがとうございました。


〈浮き文字、鉄板切抜きサイン取付〉

職人さんとの相性って必要。
どれだけ図面を書いても
最後は作った方のセンスが出てくる。
細部の納め方や色味など、
大なり小なり、作家的な部分が
職人さんの手仕事に現れる。

手癖なのか、”センス”と言われる部分なのか、
“好きずき”なだけか…

だから言葉が合う方との仕事は、
100を言わずも感覚がわかり楽しくズレなく事が進む。
それが”相性”の一つだあることは間違い無い。

昨日は、そんなことを感じた楽しい現場でした。

栃木市岡田記念館2号館、今春4月よりopen予定。
江戸時代より残る歴史的資料を観ることができまますので、
御興味有りましたら是非いらしてください。


入り口付近に設けたイサム・ノグチ/AKARI/33N
良い選択が出来たと思います。


意匠と性能の両立した住まい…
創右衛門一級建築士事務所
https://souemon.net

 

パースのようです…

R5.12.11(火)[曇り]

栃木市嘉右衛門町にある岡田記念館土蔵修理の現場では、
資料展示用の什器工事及び内部照明工事が間もなく完了します。



[照明工事が進み点灯]

無垢材と土壁の空間に桧材の什器が照明に照らされ素敵な空間になりました。
建築パースのような写真ですが、実空間の写真です。

安政5年(165年前)に建てられた土蔵が
多額の費用をかけ5年間の保存修理を終え、
展示スペースとして新たな用途を得て時を刻み始めます。

どんな高価な建物でも大なり小なり維持管理がなければ
健全な建物を保つことはできません。
適切な維持管理をしながら、
今後165年この土蔵が残存する為には、
残す価値の有る…愛される…建物でなければ、
適切な維持管理をしてもらえなくなります。

伝建地区に保存価値の有る建物の所有者さんは、
本当に維持管理に苦労されていると思います。

まずは、人の出入りの多い展示スペースとして、
利益を生んでいただき所有者さんに愛していただきたい…
そんな想いで設計をさせていただきました。

残す工事はsignのみ。
完成が楽しみです。


意匠と性能の両立した住まい…
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展示用内部工事

R5.10.20(金)[晴れ]

栃木市嘉右衛門町にある岡田記念館土蔵修理の現場では、
資料展示用の什器工事及び内部照明工事が進んでおります。

1573年よりこの地に移りみ、
1689年[元禄2年]には陣屋が置かれた
岡田家には、大変多くの貴重な資料が残り、
それらの資料を展示する為の内部工事が進んでおります。


[塗装工事]
木部:桧材・シナベニヤ
   リボス/カルデット(クリア)塗り


[什器B]
十手や木製手錠など代官関連を展示予定のスペースです。

可動式腰高什器/桧材+リボスカルデット(クリア)塗り。
本日[10/20]硝子が付きました。


[什器A]
鎧や火縄銃、槍や刀を展示予定のスペースです。

固定式什器:桧材+リボスカルデット(クリア)塗り
      一部シナベニヤ+水性塗料(濃灰色)塗り
硝子:透明8㎜


[AKARI/33N]
入り口付近にAKARIシリーズのペンダント照明を設置。


[AKARI/33N]
箱も好きです。AKARIシリーズ

来月からのsign工事を残し内部工事終了。


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伝建地区のお仕事 土の熱容量

R5.9.9(土)[小雨]

土曜とか日曜の小雨って、
時間がゆっくり進む感じがして好きなんです…

今週は、少しずつ、着々と施工の進む土蔵の現場監理。


〈竹小舞を施工〉

土壁の下地となる竹小舞(たけこまい)の施工が進んでおります。
竹小舞は、縦竹と横竹を1本1本、縄で縛って、
構造体と一体としていきます。

横竹は、柱にのこぎり状に刻まれた苆掛け(つたかけ)という部分に載せ、
柱と縄で縛ることで、構造体と一体とし、土壁の耐力を柱に伝え、
土蔵の強度が発揮していくのですが、
今回の土蔵は、長年の漏水によって、あるべき苆掛けがなくなっておりました。

伝建地区の保存修理としては、
“出来る限り、多くの古材を残し再活用する”
という絶対正義があるので、
新たにのこぎり状に加工した苆掛け部材を造り、
古材柱に添えて補強しました。

新しい柱に苆掛け加工をし、交換してしまった方が、
強度も出て、作業も簡単なのですが、そこは伝建工事…
出来る限り、歴史的価値のある古材を残し、
次の時代に引き継いでいきます。


〈鉄製の蔀戸〉
やはり蔀戸も長年の雨風による劣化が激しく
錆でボロボロになっておりました。

劣化部分を慎重に分解し、新たな鉄材と古材とを組み合わせて修理しました。

この現場の棟梁T氏は、大工だけど鉄の加工も溶接もできる凄い方!
T氏いつもありがとうございます。

続いて隣の土蔵

〈内部工事の進む土蔵〉

昨年度で保存修理工事としては、完了した土蔵、
本年度からは、内部工事が進んでおります。

桧材で造った内部階段。
素敵に仕上がりました。

この日、土蔵の2階に上がって感じたことは、
土の熱容量ってやはり素晴らしい!

この日の気温35℃、土蔵2階に上がるとひんやり…
日射が無いことも大きな要因ですが、
土の熱容量が大きいので、屋外の影響が内部に伝わりにくいのですね。
熱容量恐るべし…

湿度も土壁の吸湿性が影響してか、ベタベタ感はありませんでした。
今度、現場で実測してみようと思います。

土蔵は見た目も性能も素敵なので、
多くの人が出入りする用途として活用していけたら良いと…
楽しい可能性を感じた現場となりました。


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伝建地区 土蔵のお仕事

R5.3.29(木)[晴れ]

本日、伝建地区の土蔵保存修理工事R5年度工事の契約と
昨年度修理完了土蔵の活用方法のプレゼンテーション。

幸せ者の私、数年前より江戸期、明治期の土蔵保存修理工事
2棟に関わらせていただいております。

土蔵の保存修理工事は、本当にお金が掛かります。
目ん玉が飛び出る程の修理費を掛け現代に蘇らせた蔵を
ただ治すだけでは駄目で、
修理後いかに有効に活用していくか、
どれだけ利益を出せるかが、
今後の課題であり、我々設計者に課せられた使命と考えております。

本日は、そんな重要なプレゼンテーションの機会をいただき
提案させていただきました。

結果はいかに…
楽しみです。


[修理工事の続く土蔵]


[昨年完了の土蔵/活用方法の提案]


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2188年まで残す…

R5.2.21(火)[晴れ]

今日は、伝建地区でのお仕事
安政5年2月13日建之、土蔵保存修理の現場。

平成29年に調査設計を行い、
平成30年に着工した保存修理工事が、
本年度工事(令和4年度)で一度完了する。

“一度”とは、令和3年に着工した直ぐ隣の土蔵と
下屋等で繋がる為、隣蔵の工事待ちで、
数年後に再び開始するまで、一時完了となるから。

工事用素屋根を含めた足場を解体し、本年度工事が完了する。
真っ白い漆喰壁が綺麗に仕上がりました。


[漆喰影盛と鬼瓦]


[観音開窓]


[鉢巻と水切り]


[簓子下見板張り]

安政5年(1858年)とは、今から165年前の江戸時代。
2023年から165年後は、2188年…
165年後まで残したい…
そんな思い出工事を進めて参りました。

なかなか関われないお仕事…ほんとありがたい…


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石蔵音楽祭[R4.6.5]

R4.4.12[火]晴れ

R4.6.5[日]/栃木市にて石蔵音楽祭を開催いたします。

栃木市、伝統的建造物群保存地域[嘉右衛門町]より小道へ3分程入った所に在する
大谷石で造られた石蔵。
それは、えも言われぬ趣ある佇まい。
長い歴史の中で残った宝物。

活用希望は多々あるが、歴史ある大谷石で組積された石蔵を根拠ある安全性で
使用するには、大きさが故に多くの初期投資が必要になり
利活用に繋がらない現実。

この宝物を素敵に利活用してくださる借主発掘を目的に
まずは石蔵音楽祭を開催いたします。
その準備として危険箇所の撤去及び大掃除を行いました。

6月5日[日]の開催に向け徐々に準備をすすめて参ります。


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石蔵で音出し

楽しい週!

栃木市で、建築仲間や大学の研究者と、歴史的価値のある建物の保存修理及びその建物の利活用方法を考え、貸主と借主との橋渡しを目的とした一党”かえもん暮らし”の次なる企み!


[写真1・2枚目]

栃木市に存する歴史の永いとあるお店には、大谷石で造られた石蔵が在る。
以前は、お店で扱う品の仕込み場として、役割を担っていた石蔵は、現在は活用される事無く、趣ある街並みの一部としてそこに存している。

佇まい!雰囲気!空間!全てにおいて”宝物”でしかないこの石蔵も耐震性などを考慮した利活用方法を考えると、なかなかどうして…のお金が必要になってくる。

過去にも資本ある飲食店が、2号店の器として相談があったり…と、この素敵な石蔵に心惹かれた方達の相談は何件もある。
その都度、耐震性能や上下水問題などの現実的費用の壁に阻まれ、形にならず現在に至る。

今回のミションは、この”宝物”を何とかしたい…
直ぐに常時開店の活用方法だけでなく、イベント的使用方法での活用を始め、この石蔵の魅力を伝える。知っていただく…活用方法を想像してもらう…事を行いたい。

まず、第一弾はコンサートを行います!

そんなこんなでまずは、ピアノとジャンベとウクレレにて音出しを行い、音の反響、音漏れ等を確認しました。

ただの音出しでしたが、めちゃめちゃカッコ良かったです!
本番はグランドピアノを予定。

来春開催を目指しミーティングを進めてまいります!



[写真3・4枚目]
↑↑↑上記の石蔵より徒歩5分の場所で、店舗改修工事の現場。
栃木市嘉右衛門町の雰囲気にあった”和”佇まいは、
着物レンタル・着付の場のお店『おうるび』
明日(10/29)のsign工事を行い完成。

令和3年11月6日(土)am10:00OPEN
店名『おうるび』
栃木市嘉右衛門町9-18
TEL:050-88882-6101
HP:https://owlbe.jp/
instagram:_owlbe_


[写真5枚目]
那須町の住まいhouse-A2の現場
伐採伐根が終わり、造成工事が完了しました。
11月中旬より基礎工事着工します。

 
[写真6枚目]
宇都宮市の住まいhouse-SSでは、付加断熱の工事が完了しました。


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現場進捗状況


[写真1枚目]
本日(R3.10.4)より着工、栃木市の店舗。
伝統的建造物群保存地区に指定された嘉右衛門町に来月(11月)新しいお店が誕生します。
どんなお店かな…
何のお店かな…
店舗詳細は後ほど。


[写真2枚目]
那須の別荘地に建つセカンドハウスhouse-A2の現場では、伐採・伐根工事が進み、良い感じに空が広がりました。

Aさんお待たせしました!
ようやくここまで来ました。
来春完成を楽しみにしてください。


[写真3枚目]
宇都宮市の住まいhouse-SS
屋根断熱の下地が整い明後日(6日)より断熱工事が開始します。
勿論G2/C値0.3以下
気密測定は、今月末を予定。

そして今回は、初トップライト!
日射遮蔽の工夫はおいおいUPします。

これまた来春完成予定。


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新物件 141年前の土蔵

本年度[R3]より新しく関わらせていただく事なった明治13年[1880年]建築の土蔵。

[写真1枚目・2枚目]
土壁撤去前の既存建物
長い間、雨風にさらされ瓦や壁が劣化し、その部分から雨水が侵入し木材が朽ちて屋根や壁が崩落。
濡れた木材は、蟻害にも侵され危険な状態でしたが、何とか現存してくれていた大切な建物。

“残っていてくれただけでOK!
後はお任せください!”

外観も時代の流れの中で、その時々に必要な増築が行われた様子がうかがえる。

今だから、古い建物を残そう…歴史的価値…とか言ってはいるが、ただの倉庫で収納量だけを求められた時代もあったり、古いだけで役に立たない時代も長い歴史の中にはあったに違い無い。

ちょっとヘンテコな下屋が残っていたり、その場しのぎの補修跡を見ると、時の流れを感じます。

なるべく既存の部材を残しながら、これから先100年以上も耐えうるよう現行法律とのバランスを考えながら修理方法を選択し修理設計を進めて行きます。
限界耐力計算を使い、既存建物のように石場建て基礎で戻す方法。
現行法に沿ってRC造の基礎を造る方法。
いろいろな正義と修理方法が多いだけに悩みの多い現場です。

先ずは、現況把握の調査です。


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