工事完了

R6.3.2(土)[晴れ]

昨日、栃木市伝建地区の現場にて、
sign工事の立会いをして参りました。

栃木市屈指の旧家の家紋は、
当然由緒ある家紋。
事の始まりは後醍醐天皇…

長い歴史のある家紋を
通りから薬医門越しに屋敷内を望んだ時、
土蔵の奥から家紋を映し見せたい…
そんな思いより内部空間を提案させていただきました。

sign工事のI氏のお力で、
構想通り良い感じに仕上げていただきました。
遅い時間までありがとうございました。


〈浮き文字、鉄板切抜きサイン取付〉

職人さんとの相性って必要。
どれだけ図面を書いても
最後は作った方のセンスが出てくる。
細部の納め方や色味など、
大なり小なり、作家的な部分が
職人さんの手仕事に現れる。

手癖なのか、”センス”と言われる部分なのか、
“好きずき”なだけか…

だから言葉が合う方との仕事は、
100を言わずも感覚がわかり楽しくズレなく事が進む。
それが”相性”の一つだあることは間違い無い。

昨日は、そんなことを感じた楽しい現場でした。

栃木市岡田記念館2号館、今春4月よりopen予定。
江戸時代より残る歴史的資料を観ることができまますので、
御興味有りましたら是非いらしてください。


入り口付近に設けたイサム・ノグチ/AKARI/33N
良い選択が出来たと思います。


意匠と性能の両立した住まい…
創右衛門一級建築士事務所
https://souemon.net

 

新しい住まい

R6.2.10(土)[晴れ]

先週の事。
新しい施主様と当事務所にて顔合わせをいたしました。

“新しい”と言っても見学会へお越しいただいたり、
イベントへ参加してくださったりの
2度程面識のある御夫婦。

私の自宅兼事務所を観ていただきながら
今後世の中は、エネルギー価格の上昇を続け、
暖房にかかるエネルギーを如何に抑えていく事が
大切な家族を守る家に備える大きなポイントになり、
それには、断熱性能を高める事が最も効果の高い方法で、
新築時が一番費用対効果が高く、
生涯にわたり効果を発揮するものですよ
っと!

“当たり前”だけど、
凄く重要な事で、そして最もシンプルな
話しをさせていただきました。

そんな話をしながら、軽くヒヤリングのようなお話し…

当事務所に来ていただけるお施主様はみなそう、
そろって自分のスタイルが有り、
そしてちょっと変わっている…

今回のお施主様も会話の中で、
〈お施主様〉:「リビングって必要ですか…
         無くてもいいと思うんですよね!」

〈私の心の声〉:ほら出たっ!
またちょっと違う人っ!(いい意味です)
↑↑↑
っと思いながら、
そうそう私のいつものお客さんっと嬉しくなりました。

改めて、ヒヤリングの日程を決めその日は終了。
どんな住まいができるか楽しみです。

M様
当たり前の重要な事を
よりシンプルに設計をすすめて参ります。
これから長いお付き合いよろしくお願いいたします。
楽しみにしてください。

話は変わり、
断熱等級の数字をあらためて検索してたら、
LIXILのサイトで以下のようなイラストを発見。

一番右絵の “これからの家” の所が
“HEAT20 G2” になってました。
現在の世の中の家は、
中絵の “今の家” にもなってないような気がしますが、
国や企業はこんなイメージなんですね。

G2がスタンダードで最低性能になって行くって事です。
やり方は色々あるとは思いますが、
性能的にも価格的にも
大きく違うのは付加断熱するかって所ですね。

サッシの性能を上げて計算すると付加断熱無しでも
G2になる場合もあるようですが、
熱橋などを考えると、
数値だけのそういう事ではないですよね。

これからの新築物件は、
付加断熱無しはないって事だと思います。


意匠と性能の両立した住まい…
創右衛門一級建築士事務所
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気密測定

12月27日(水)[晴れ]

無断熱だった減築リノベーションの住まい
house-SK-Rでは、本日気密測定を行いました。

結果は目標達成の0.5㎝2/m2

築45年、無断熱だった住まいの改修工事で
良い結果を出していくれた大工さんに感謝です。
Kさんいつもありがとうございます。

施主のSさん御家族、絶対に良い住心地になりましたよ!
引っ越しを楽しみにしてください。


意匠と性能の両立した住まい
創右衛門一級建築士事務所
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パースのようです…

R5.12.11(火)[曇り]

栃木市嘉右衛門町にある岡田記念館土蔵修理の現場では、
資料展示用の什器工事及び内部照明工事が間もなく完了します。



[照明工事が進み点灯]

無垢材と土壁の空間に桧材の什器が照明に照らされ素敵な空間になりました。
建築パースのような写真ですが、実空間の写真です。

安政5年(165年前)に建てられた土蔵が
多額の費用をかけ5年間の保存修理を終え、
展示スペースとして新たな用途を得て時を刻み始めます。

どんな高価な建物でも大なり小なり維持管理がなければ
健全な建物を保つことはできません。
適切な維持管理をしながら、
今後165年この土蔵が残存する為には、
残す価値の有る…愛される…建物でなければ、
適切な維持管理をしてもらえなくなります。

伝建地区に保存価値の有る建物の所有者さんは、
本当に維持管理に苦労されていると思います。

まずは、人の出入りの多い展示スペースとして、
利益を生んでいただき所有者さんに愛していただきたい…
そんな想いで設計をさせていただきました。

残す工事はsignのみ。
完成が楽しみです。


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天井断熱材ブローイング工法とイベント案内

R5.11.30(木)[晴れ]

減築リノベーションの現場 house-SK-R

無断熱だった築45年の住まいを
2階を撤去する減築工事、耐震改修、断熱改修を行っております。

耐震改修の際に断熱改修を行う事は、
解体工事の合理性からもとても理にかなっている。
それでも、どこまで解体するかは
工事費用や工期に返ってくるので頭が痛い…

そんなこんなを考えながら今回は、
天井の断熱材にグラスウールのブローイング工法を採用。
工期短縮ができる上に気密性能を含む施工精度が向上する
ブローイング工法は良い選択となりました。


〈天井断熱材吹き込み状況〉
良い環境の新しい生活に喜んでいただける事間違いなし!


〈南面に大きく設けた造作FIX窓と樹脂のテラス戸〉
採光を考慮しつつ意匠性も大切に…必要な事ですね。
テラス屋根を設けて日射遮蔽対策を行います。

S様もう暫く楽しみにお待ち下さい。


今週12月3日(日)は『ハピケン展 Winter』
“自然と家具とワインを。亀田屋”にて開催。

今回は、ゲストスピーカーに全国で子育て講演会や講座を開催している
粂井優子さんをお招きし、
“「住まい」と「暮らし」のエンリッチメント”をテーマに
セミナーとワークショップを通して、
我々設計側とお施主様のエンリッチメントをお伝えしたと思います。

エンリッチメント = 相乗効果

粂井優子さんの著書
「見えない学力が身につく 勉強よりお手伝い」を読んだ個人的感想は、
もっと早く読めばよかったっ! です。
子育て中の方も、住まいづくりをお考えの方も
是非聞いていただきたい内容です。

“住まい”って結局 “物” でしかないな…
家族が毎日毎日生活する箱は、“幸せ” にはとても大切で重要な要素ですが、
住まい(箱)だけでは幸せにならない…そんな事も想います。

ハピケン展 Winter 2023
「住まい」と「暮らし」のエンリッチメント
https://hapi-ken.com/hapi-ken2023_winter


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展示用内部工事

R5.10.20(金)[晴れ]

栃木市嘉右衛門町にある岡田記念館土蔵修理の現場では、
資料展示用の什器工事及び内部照明工事が進んでおります。

1573年よりこの地に移りみ、
1689年[元禄2年]には陣屋が置かれた
岡田家には、大変多くの貴重な資料が残り、
それらの資料を展示する為の内部工事が進んでおります。


[塗装工事]
木部:桧材・シナベニヤ
   リボス/カルデット(クリア)塗り


[什器B]
十手や木製手錠など代官関連を展示予定のスペースです。

可動式腰高什器/桧材+リボスカルデット(クリア)塗り。
本日[10/20]硝子が付きました。


[什器A]
鎧や火縄銃、槍や刀を展示予定のスペースです。

固定式什器:桧材+リボスカルデット(クリア)塗り
      一部シナベニヤ+水性塗料(濃灰色)塗り
硝子:透明8㎜


[AKARI/33N]
入り口付近にAKARIシリーズのペンダント照明を設置。


[AKARI/33N]
箱も好きです。AKARIシリーズ

来月からのsign工事を残し内部工事終了。


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減築 雨に降られず屋根完了

R5.10.2(月)[晴れ]

減築リノベーションの現場 house-SK-R

天気に恵まれ、2階部分解体が完了。
既存1階屋根を全て残し、2階部分を撤去 →
2階があった所に新規の屋根を造り →
ルーフィング(屋根の防水シート)を敷き屋根下地完了。

雨に降られずに新しい屋根を造ることが出来るか否か…
現場の段取りの良さが光る完璧な工程で、
減築現場の最大の難所をクリアする事ができました。

これで一先ず一安心…
いつだって完璧な大工のK氏、今回もありがとうございます。


[平屋となった減築後の佇まい]
低い佇まいが素敵です…


[減築前の佇まい]

今回の減築計画では、解体処分をなるべく抑え、予算削減を試みた。
解体をしてしまえば、造る事は容易になりますが、
そこを何とか既存部分を残し、新増部分とうまく繋げる努力をします。

厚みを合せる部材や手間が増えたりするのかもしれません…
壊してしまった方が手っ取り早いかもしれません…
でも今回はこの方法でやってみます。


[屋根部分]
既存2階床や既存屋根を残します…
その分、厚み調整材とその手間が増えました…

既存2階床は、しっかり造られていたので、
残す事で水平剛性が確保され、ゴミも減る良点もありますね。

初の減築物件…
減築は、建築費の高騰や人口減少などの時代背景を考えると、
今後の改修工事には必要な工事になるかもしれませんね。
今回で経験値を1つ積む事ができました。

まだ終わってませんが、後はいつもの耐震改修と断熱改修です!


意匠と性能の両立した住まい…
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減築改修工事着工

R5.9.15(金)[曇り/雨]

今週13日(水)より減築改修工事の現場
house-SK-Rが着工いたしました。

築45年の木造2階建て、無断熱の住まいを
いつもの耐震改修+断熱改修に加え、減築を行います。

こんな住まいって多くないですか?
↓↓↓
以前は、家族みんなで暮らしていた丁度良い大きさの住まいが、
子供達が巣立ち使わなくなった2階部分が不要になる…
時と共に建物は経年変化が進行し、
建物維持の為に使わない2階部分も含めた修繕工事を行う。

日々の生活も使わない2階に暖気が逃げたり…熱気がこもったり…
必要無い部分を含む余計な修繕費を払い…建物を維持していく
↑↑↑
今後益々増えるこんな悩みを持つ住まいって少なくないのでは。

でも、建築当時は、その世の中にあった考え方で、
多く流通していた材料で建ったわけで、
その住まいは、そこで暮らす家族のいろいろな思い出がつまった
素敵な住まいなんですよね。

子供が生まれて幸せすぎちゃった頃…
あぁ〜うるさいっ!やんちゃな頃…
口もきかないお年頃…
受験勉強…

子供の事だけじゃなく色々ありますよね…
誕生日…
出世したり…
泣いたり笑ったり…

いろ〜んな思い出の詰まった大切な家なんですよね。

だけど、性能や機能は、その建築当時仕様で
現代にはちょっとキツイ…

大きさもそう、今は大きい…
必要無い部分は減築し、
必要な部分だけを現代仕様に直すことができたなら、
思い出の詰まった家に快適に住まうことが出来るはず。

これからの改修工事は、耐震改修+断熱改修に加え、
必要な大きさにリサイズする減築も
長く快適に住まうには必要になってきますね。

初減築、不要な2階部分を撤去します。

S様、思い出の詰まった大切な住まいを
現代仕様の快適住まいにしますので
楽しみにしてください。


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伝建地区のお仕事 土の熱容量

R5.9.9(土)[小雨]

土曜とか日曜の小雨って、
時間がゆっくり進む感じがして好きなんです…

今週は、少しずつ、着々と施工の進む土蔵の現場監理。


〈竹小舞を施工〉

土壁の下地となる竹小舞(たけこまい)の施工が進んでおります。
竹小舞は、縦竹と横竹を1本1本、縄で縛って、
構造体と一体としていきます。

横竹は、柱にのこぎり状に刻まれた苆掛け(つたかけ)という部分に載せ、
柱と縄で縛ることで、構造体と一体とし、土壁の耐力を柱に伝え、
土蔵の強度が発揮していくのですが、
今回の土蔵は、長年の漏水によって、あるべき苆掛けがなくなっておりました。

伝建地区の保存修理としては、
“出来る限り、多くの古材を残し再活用する”
という絶対正義があるので、
新たにのこぎり状に加工した苆掛け部材を造り、
古材柱に添えて補強しました。

新しい柱に苆掛け加工をし、交換してしまった方が、
強度も出て、作業も簡単なのですが、そこは伝建工事…
出来る限り、歴史的価値のある古材を残し、
次の時代に引き継いでいきます。


〈鉄製の蔀戸〉
やはり蔀戸も長年の雨風による劣化が激しく
錆でボロボロになっておりました。

劣化部分を慎重に分解し、新たな鉄材と古材とを組み合わせて修理しました。

この現場の棟梁T氏は、大工だけど鉄の加工も溶接もできる凄い方!
T氏いつもありがとうございます。

続いて隣の土蔵

〈内部工事の進む土蔵〉

昨年度で保存修理工事としては、完了した土蔵、
本年度からは、内部工事が進んでおります。

桧材で造った内部階段。
素敵に仕上がりました。

この日、土蔵の2階に上がって感じたことは、
土の熱容量ってやはり素晴らしい!

この日の気温35℃、土蔵2階に上がるとひんやり…
日射が無いことも大きな要因ですが、
土の熱容量が大きいので、屋外の影響が内部に伝わりにくいのですね。
熱容量恐るべし…

湿度も土壁の吸湿性が影響してか、ベタベタ感はありませんでした。
今度、現場で実測してみようと思います。

土蔵は見た目も性能も素敵なので、
多くの人が出入りする用途として活用していけたら良いと…
楽しい可能性を感じた現場となりました。


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エアコンの顕熱比

R5.8.8.30[水](晴れ)

昨日(8.29)は、空調計画の勉強に都内へ…

世の中には、”顕熱”と”潜熱”っというものが存在し、
それらは繋がっていて、暑い寒いに大きく影響を与えている…

その顕熱潜熱をそれぞれに整理し、
住宅内の負荷を把握しなければ、適切な空調設計はできないようです。

まずは、2ヶ月前に熱エネルギーと湿気について理解するため、
“湿り空気h-x線図”の読み解きを教えていただき、
本日は応用編という事で、手計算での空調負荷計算を学びました。

講座中は、分かった気で聞いておりますが、
いざ計算してみるとわからないものです…
何度も何度も反復学習をし、数字やデータに慣れる事が大切なんですよね。

分かってはいますが…ね!

まずは早めに復習ということで、
講義で教えていただいたエアコンの顕熱比を
事務所のエアコンで実測し計算してみました。

エアコン機種:三菱RAS-RK22M
冷房能力:2.2kw
エアコンの吹出し口[実採寸]:0.655m×0.09m≒0.059㎡
風速[実測平均]:3.6m/s

上記より
0.059㎡×3.6m/s×3600≒764㎥/h
(吹出し口より1時間に764㎥の風を吹出しているエアコン)

エアコンへの吸込空気[実測値]
26℃/相対湿度56%/エンタルピー57kJ/kg

エアコンからの吹出し空気[実測値]
14℃/相対湿度80%/エンタルピー34kJ/kg

湿り空気線図にプロットして…
そんなこんな計算して…

顕熱3,820W
潜熱2,037W
顕熱比=3,820W/(3,820W+2,037W)×100≒65.22%

事務所のエアコンは、
冷却に65.22%働き、除湿に34.78%働く機器だということがわかりました。

住まいの顕熱比とエアコン顕熱比を合わせることが大切なんですって…!

まだまだわからないことが多く、日々勉強。
昨日の復習にて…ツッコミ御勘弁。


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