思想と温湿度測定

R8.01.06(金)[晴れ]

昨年秋にお引き渡しの住まいについてまとめてみました。

“アンティーク家具の似合う
意匠と性能の両立した全館空調の高気密高断熱住宅”
house-MT

〈アンティーク家具=鯨オーケストラ(写真提供共)〉


houseMT 5つの設計思想


❶.地産地消の自然素材を活かした意匠

❷.アンテーク家具の似合う新築住宅

❸.空調設計した全館空調

❹.ニュースタンダードな高断熱性能

❺.密接に関係する性能 耐震等級3


❶.地産地消の自然素材を活かした意匠


本物件は、2項道路に面した
住宅街の突き当たりに位置する為
敷地内での車の転回が、
日々のアプローチに対する負担軽減の鍵となる。
“敷地内転回”を重要項目として配置計画を行いました。

ファサードデザインでの留意点は3つ
一つ目は
住宅街でカーテンレスの生活をイメージした窓の整理。

2つ目は
雨に濡れることなく、出入りが出来るよう
深く設けた玄関ポーチ。

3つ目は
素材感のある外観意匠

“素材感の活きる不均一な質感”を
地元ブランド木材“八溝杉”を外壁に採用し表現。
色は木材保護塗料のノンロットを2色調合し
無垢板の経年変化色に近いグレー色とし、
変化の過程でもきれいに馴染んでいくよう配慮しました。

八溝杉板張りは派手ではないが、
自然素材が放つ独特の雰囲気があり存在感が大きく、
あまり派手な佇まいとならないよう
建物のプロポーションはシンプルな形状にこだわり、
低く、薄く、バランスを整えました。
また、プロポーションをシンプルにすることで
構造材の無駄を省きコスト削減をすることもできました。

地元木材の八溝杉を採用することは、
再生可能資源の循環や
地域経済の活性化、流通コスト削減…等
環境配慮につながる材料です。

意匠的にクセのある好みの材料を採用したら
勝手に環境配慮に貢献している…
そんな材料ではないでしょうか。

無理せず…頑張らず…勝手に環境配慮…
そういうのラクでいいですねっ!


❷.アンテーク家具の似合う新築住宅

全て本物の材料で造る。

チーク色の自然塗料で仕上げた無垢材、
オーダーメイドの農灰色スチール材、
真鍮の照明器具、
自然素材と一点物で内部空間を設えました。

そんな本物の材料で造られた一点物の空間には
アンテーク家具が良く似合います。

なぜよく似合うのか?
空間の色味等、調和をはかったのは当然とし、
本物材ならではの不均一な質感が、アンティーク家具と
似ていること、
何よりも本物しかアンティークにならない…っと言う
本質が同じだからではないでしょうか。

“〇〇調”や“〇〇風”の偽物(人工再現素材)は、
均一なリピートにしかならず、竣工時が1番綺麗で、
その後は時間と共に傷や損傷が増え、
劣化ていく一方で、ゆくゆくは汚くなりゴミにしかなりません。

その反面
本物材は傷や損傷もできますが、修理や補修もしやすく、
補修せずも“あじ”となる経年変化が楽しめます。

せっかく建てる住まいですから
ゴミになる材料ではなく
家族と共に時間を楽しめる
本物の自然素材で、大切な住まいを
建てていみてはいかがでしょうか。


【アンティーク家具のレンタル】
下野市吉田にあるアンティークショップ
鯨オーケストラさん

アンティークにご興味ある方は
是非!一度覗いてみてください。


❸シンプルに空調設計した全館空調

当事務所の空調方法は基本的に
冬=1階に取付けた住宅用壁掛けエアコン1台で家中暖房、
夏=2階に取付けた住宅用壁掛けエアコン1台で家中冷房、
で全館空調をしております。

換気は、ダクト式第三種換気を採用。



住まいは長く住むもの…
快適なのは当たり前として、
その快適に多くの維持費とメンテナンスが
かかるは嫌だなと思います。

ましてやお金と手間を掛けても
綺麗にならない、交換するしかない、どうにもならない…
なんて事は最悪ですね。

例えば、
機械の製造中止…
後継機種も無く互換性も無く
部品交換が出来ないのでそっくり交換…
なんて事は出来れば避けたいところです。

これから先何十年、製造メーカーの倒産なんて事も
無きにしも非ず。

他に
機械は故障する…
自分も歳を重ねる…
人間は変化が苦手で、特に高齢時は難…
いずれは夫婦のみ世帯…

大切な住まいで長く暮らすために
上記のことを事も踏まえて
一般的な機器でシンプルに空調設計をしたいとところです。



空調設計を行うと以下の事がわかります
・季節毎の目標とする温湿度をしっかり設定し、
 適切な能力の機器が選定可能となる。
・年間を通し、目標温湿度にならない日も予測でき、
 その対処方法もわる

例えば
10年に一度の酷暑の日に
大人数でホームパーティーとか絶対に冷房能力足らないですね…
そんな時の対象方法とか 


新築時の快適を将来も多くのお金を掛けずに
維持でき、日々のメンテナンスを
サボっても重大な事故にならないような
住まいの空調設計を行っております。

詳しくはお問い合わせください。
換気の事などいろいろな話しを
させていただきたく思います。
E-mail dai140610@gmail.com
mobail 090-7189-6171


❹ニュースタンダードな高断熱性能

裏切らないのは断熱だけで、
一番安価に断熱性能を備える事ができるのは新築の時です。

上記❸でも書きましたが、
どんなに快適をもたらしてくれる機械設備も
いずれは必ず壊れます。
それは自分が60歳かも…80歳かもしれませんが、
機械なので2回は交換すると想定しておきましょう。

80歳の時に機械交換費用が150万円とか…250万円とか…
私だったら嫌だなっと思います。

また難しい立派なシステムで、
新築の時に300万円した自慢の快適システムでも、
もう今は販売されていないので部品交換ができません…
って事も嫌だなっと思います。

先にも述べましたが、
“裏切らないのは断熱だけ”かと思いますので、
快適は機械に頼らず、
裏切らない断熱材に先行投資をし全部責任を課す!
断熱材は先行投資した分、一生黙って働いてくれます。

そんな事を考えると断熱等級6を超え等級7を
確保していきたいところです。

関連して気密性能は確実に備えてください。
備えないと悪さしますので…



❺密接に関係する欠かせない性能 耐震等級3

耐震等級3

高気密高断熱住宅において断熱性能を長期間にわたって
担保するためには、耐震等級3の確保が欠かせない。
理由は、断熱性能は、断熱材の性能値だけで決まるものではなく、
建物全体の構造が健全に保たれてこそ維持されるからです。

地震によって建物が変形すると、
柱や梁、壁のわずかなずれが生じ、
断熱材の隙間や気密層の破断を引き起こす可能性があります。
こうした細かな損傷は外からは見えにくいですが、
気密性能の低下や断熱欠損につながり、
結果として冷暖房効率の悪化や結露、
内部結露による劣化を招きます。
高気密高断熱住宅は、構造の歪みの影響を受けやすい。

耐震等級3は、建物の変形を最小限に抑え、
大地震後も構造体の健全性を保つため断熱材や気密層への
ダメージを抑制し、設計時に確保した断熱・気密性能を
長期間維持することが可能となります。

上記の事より、耐震等級3は“命を守る性能”であると同時に、
“住宅の性能を守る性能”でもありますね。

高気密高断熱住宅の価値を長く守るためには、
断熱仕様だけでなく、それを支える構造の強さを
含めて計画することが重要で、
耐震等級3は不可欠な要素とだと思います。


昨年の秋[R7年11月]
お引き渡し前に温湿度測定を
3日間させていただきましたので、今頃ですが報告。

〈house-MT スペック〉
地域区分 5地域
UA値 0.34W/㎡•K[G2]
C値 0.1㎠/㎡[実測]
ダクト式第三種[デマンド換気]

設計室内環境設定[冬]24℃/38%/7g/㎏(DA)
(外気温-6.8℃/76%を想定[2023.1.26近年極寒日を想定])
上記条件で必要負荷4097W

選定冬用エアコン 日立Dシリーズ4.0kw ×1台
夏冬それぞれ1台の家庭用壁掛けエアコンにて全館空調
測定機器 SwitchBot温湿度計 5台設置


測定目的は1Fの冬用エアコン1台を設定温度22℃で運転し
各部屋の室温が設定温度になるか否か…
またどのくらいの時間で一定になるかを測定しました。
(空調設計は24℃なのになぜか22℃設定で測定してしまった…ご愛嬌)


SwitchBot温湿度計5台中悪条件の3台の結果を表示
①エアコンより遠方の1F床面設置 =〈1F床〉
②吹抜け直上2FL+1500棚に設置 = 〈吹抜け上部〉
③エアコンより一番遠方の2F寝室床面 = 〈2F寝室〉

〈①1F床面〉

①測点は、1Fの中でエアコンより1番遠方の床面にて
設定温度到達まで時間がかかると想定しておりましたが、
やはり時間がかかりました。
到達後は一定の温度を保持。


〈②吹抜け上部〉

②測点は、吹抜け上部にて暖気が上昇することで
早く設定温度に到達と予想。
予想通り運転開始後、1番に設定温度に到達。


〈③2F寝室〉

③測点は2Fの端の部屋になります。
家の中でエアコンより1番遠方かつ
入り組んだ廊下の先にて設定温度到達まで時間がかかる想定。
想定通りの結果となりました。
2Fの部屋にて暖気上昇を考えると問題無しの結果ですし、
他に空気を循環させる秘密兵器も仕込んであるので問題ありません。


〈①1F床/16日am6:00〉

①測点
3日目の早朝 22.5℃/42%/7.24g/㎏(DA)

〈②吹抜け上部/16日am6:00〉

②測点
3日目の早朝6:00 23.0℃/41%/7.15g/㎏(DA)

〈③2F寝室/16日am6:00〉

③測点
3日目の早朝6:00 21.7℃/44%/7.09g/㎏(DA)


結果
ダクトを使わない、難しい機械を使わない、
全館空調計画として良い結果ではないでしょうか。

今後も高気密高断熱は当然とし、より意匠性を磨きつつ
空調設計び精度も上げていきたいと思います。

意匠と性能の両立した空調設計の住まい…
にしようかな…


意匠と性能の両立した住まい…
創右衛門一級建築士事務所
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