日射シュミレーション

今年はまだまだ暑い日が続きそうです。温暖化が進むと言われる未来では、どんな夏が待っているのか…

夏を快適に住まうには、日射遮蔽が上手く出来るかどうかが一つの大きな鍵になります。

簾、葦簀、タープなど、後付の良い品も多々ありますが、建物の形状や向きなどで夏の日射遮蔽が可能だとより快適に過ごせます。

sketchUPなるフリーソフトを使いplan検討の段階から日射状況をシュミレーションし、軒の出、配置状況を検討します。

6月21月の10時頃の日差し…
8月13日の正午の日差し…
冬…12月21日の朝は…
っと言った感じで日射遮蔽したい時期、日射を取り込みたい時期、時間帯などを検討する事ができます。

周囲をアパートに囲まれた日射の確保が少々難有りな敷地でも、日射状況をシュミレーションする事で、適切な位置や向きを検討する事ができます。

将来、周辺環境がどう変わるか…を想像する事も重要ですので、設計段階より周辺環境が難有り敷地の方が、未来を想像しやすいですね。


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G2の住まい 壁断熱材の施工

G2の住まいhouse-Kでは、壁の充填断熱材の施工が始まりました。

壁構成(外から内へ)
外壁〈ガルバリウム鋼板〉→通気胴縁→透湿防水シート→外張り断熱材〈フェノバボード〉→耐力面材〈EXハイパー〉→充填断熱材〈高性能GW〉→防湿気密シート→PB12.5→内装仕上材

↑上記の構成中、充填断熱材と防湿気密シートの施工工程。

断熱材の施工は、如何に断熱欠損をなくし、精度良く施工出来るかが性能向上の鍵。袋無しGWは細かな部分のカットが容易に行え作業効率が向上します

現場では、断熱材専門施工業者の3人が各々の役割に分かれ、効率良く精度の高い施工をしておりました。

ピタピタに施工された断熱材!今月末の気密測定が楽しみです。


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今週の現場

夏っ!真っ只中!
現場の職人さんには本当に感謝の時期ですね。

今週の現場監理
〈写真1枚目〉
栃木市、江戸時代の土蔵保存修理の現場では、”鉢巻”と呼ばれる軒下直下の斜めに張り出した壁部分の荒土充填工程が終了しました。次の工程は窓・扉廻りの”かけご”の型を造り土塗りの準備を行います。
かけご:観音開きの扉の合わさる部分に段を付け左右が組み合わさるようにした”段”の部分。

〈写真2枚面〉
G2の高根沢の住まいhouse-K
玄関の欄間下地が完了しました。
欄間を設ける事で外部からの視界を遮りつつ適度な明るさ確保する事が出来ます。目的は採光と意匠なので、漏気防止の観点からも嵌め殺しのガラスとしました。

〈写真3枚目〉
万町の住まいhouse-T
交通量の多い交差点近くの住まいを計画するにあたり、いかに内側からの視界を確保しつつ、外部からの視界は遮る事が出来るかを考え、プラン及び配置計画を工夫した住まいです。
設計通りの窓が出来ました。
折角設ける大きな窓は、締めっきりにならない価値ある大きな窓にしたいですね。


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蒸し曲げ加工の建具

大規模リノベーション物件[house-WT-R]の現場では、本気の板塀に引戸が入りました。

桧材+漆喰壁+一文字瓦に銅板の腰葺きの数寄屋門には“満月”をイメージした丸い板のデザインとしました。

外部建具の為、接着剤を使用しての加工では接着面の剥離等、耐久性に問題が起きる為、蒸し“曲げ加工”と言う椅子
の背もたれを加工する時に使う技術で曲げていただきました。

「丸く曲げた部材とぶつかる格子材の接続部分がちょっと手間が掛かるけど、1度やれば2回目からは楽になる」っと!
若きイケメン建具職人がサラっと話してくれた。

“ちょっと”って…
↑いやいや…絶対ちょっとじゃないよね〜

“1回やれば”って…
↑そうなんです。始めての加工を快前向きに挑戦してくれたんです。

すごい職人さんが身近にいる事に感謝しつつ、日々挑戦し向上して行く姿勢に感化されました。

写真3枚目
箕甲(みのこ)と呼ばれる社寺建築や数寄屋建築の屋根に見られる斜めに加工した端の部分。
銅板を綺麗に丸く曲げながら箕甲を葺くのは熟年板金職人さん。綺麗に仕上がりました。
こちらの職人さんは間もなく引退と言っている御年配職人さん。甥っ子さんに技術を伝承中との事で一安心。こんな事ができる職人さんがいなくなるのは大問題。
職人不足…技術の伝承…何とかせねばですね。


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新築瑕疵保険の検査

高根沢町・G2の住まいhouse-K

新築住宅は、法に定められた保険に加入し構造上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分について10年間保証しなければなりません。

本日は、その新築瑕疵保険に加入するための検査立会。
1時間程時間を掛け、柱1本1本、接続金物1ヶ所1ヶ所、防水部分…他、各所をとても丁寧に確認くださいました。

梅雨も明け、検査も合格し着々と現場は進行していきます。

写真1枚目
高さ、ボリューム、佇まい…
無駄な窓の無いファサード…良いバランスに仕上ってます。


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ディテールに拘る見えない努力

PinterestやInstagramなどで素敵な国内外の建築写真を見かけ、刺激をもらい感化され、自分の設計に上手く取り入れられないか模索する事が有る。

そんな見かけた写真は、大いにしてシンプルでスッキリしていて、上品で美しいが弱々しく感じる事が多く、どうやって造ったのか解らない!

そんな建築を造りたく思考錯誤し、あぁ〜でも無く、こぉ〜でも無く図面を描き納まりを考える。

“素敵な物”を”素敵にマネる”事は簡単ではなく、またそれを素敵に取り入れるには”素敵な感覚”が必要。

そんな事をチマチマ考えながら設計している…日々地味です。

今回もそんな写真に感化され戦いを挑む事にした。
結果、見えない部分に鉄骨部材を使う納まりに決定。
設計者の勝手な思考で考えた納まりに丁度良い寸法の鉄骨部材など世の中に存在する事も無く、勿論特注品を発注(写真1枚目)。

当事務所の鉄骨部材特注品といえば、鍛鉄作家の和田君!〈東原製作所〉
鍛鉄(ロートアイアン)が専門の作家さんで、店舗設計時に鍛鉄ドアノブやランプシェードなどを特注で依頼しています。
今回は鍛鉄作品ではありませんが、腕の良い和田君に依頼。
(当事務所、鉄は何でも和田君!)

昨日は、何度も工場にお邪魔していますが、入口に鉄のお化けがいた事に初めて気づきました(写真2枚目)。


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筋交いと金物

梅雨明けが待ち遠しい…
うだるような厚さが恋しい…

っと言いつつ暑い夏が来ると
“今日は暑いっ!”とか
“もう無理っ!”などとすぐに絶対!言います。

来週はそんな暑い夏がやって来ますね!夏到来楽しみです…

G2の住まいhouse-K現場監理 
本日は、筋交いや柱梁の構造部材を接合する時に使用する接合補強金物を確認して来ました。

阪神淡路大震災以後の法改正にて構造の仕口や継手に接合金物を使用し、耐震性を向上させることが規定されました。

各部の応力を計算し、それに応じた抵抗力に対し様々な金物を使い分け施工していきます。各柱に金物を指示した図面などを作成し現場に指示。またその図面通り施工できているかの第三者機関の”金物検査”なども行い丈夫な住まいが完成していきます。

第三者機関の検査は、設計者、施工業者と合せ3重チェックになり”うっかりミス”防止になるので重要な工程です。


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祝上棟 万町の住まい

本日、万町の住まいhouse-Tが上棟しました。

南面を通行量の多い交差点。
北面に日光連山を遠くに写す畑がある三角形の敷地に建つコの字型の住まい。
燐棟及び通りからの視界を遮り、心地よい場所を見つけて設計しました。
御家族4人の住まいが新春完成します。


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本気の板塀造ってます。

大規模リノベーション物件house-WT-R第二期工事終盤。
最後の大工程は数寄屋門と板塀制作。大工さんの手刻みにより加工された部材が寸分の狂いもなく組まれ大方、門と塀の形が整いました。
残す工程は約3割。
桧の木構造に一文字瓦と銅板の腰葺き屋根、漆喰の白壁が塗られ完成します。
数寄屋門の中心には、蒸し曲げ加工をし、円をデザインした引戸を建て込みます。
蒸し曲げっ!そんな技術を持つ建具職人さんが居るんです。
また新しい技を手に入れました。


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付加断熱 house-K


G2の住まいhouse-Kでは付加断熱の施工が進んでます。
付加断熱とは、通常柱間に設置される断熱材(充填断熱)の他に、さらに外側に断熱材を設置した断熱工法です。
充填断熱(柱間断熱)では柱や間柱などの木部分が熱橋と言われ、熱を通し易くなりますが、付加断熱を行う事で、熱損失が少なく熱橋の影響が緩和され、より断熱性能を高める事ができます。
G1(断熱性能を表す一つの指標)は、高性能の断熱材を選定し、サッシの断熱グレードを上げる事でおおよそクリア可能ですが、そこからG2に断熱性能を上げるにはこの”付加断熱”がボーダーラインになります。
またコスト的にもこの”付加断熱”がボーダーラインで、可愛く無い値段が出てきます!


〈写真2枚目〉
北面窓はトリプル硝子の窓(YKK/APW430)を採用。
コンセントBOXには、気密性確保の為にバリアーBOX(気密コンセントカバー)を設置します。


断熱材施工も気密性能も全て施工が命!
どんなに高価な断熱材を用いても施工がデタラメではお金の無駄っ!
↑上記ぐらいなら安価な断熱材をキッチリ施工した方がよっぽど性能はUPします。

現場を見ていると思います。
それぞれの”正義”を持った気心知れた職人の集まりがあってこそ”より良い住まい”は完成するのだと。
また、その”正義”は設計者にも当然必要だと自分に言い聞かすっ!
そんな現場が進んでます。

そして改めて思う。
“意匠”と”性能”の両立した住まい。
これからの住まいには益々必要ではないでしょうか。


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